倫理

 

ある会の倫理委員長となった関係で、倫理綱領の改訂を命ぜられた。

大学では文科系の学問は文学、法学、社会学、哲学を勉強したが、倫理学や経済学は勉強しなかった。

役回りとして回ってきたが、倫理も道徳も良く分かっていない。国語大辞典には倫理に関して、「①人のふみ行うべき道。人間関係や秩序を保持する道徳。②「りんりがく(倫理学)」の略」、道徳について「➀人間がそれに従って行為すべき正当な原理(道)と、その原理に従って行為できるように育成された人間の習慣(徳)。はじめ慣習、風習、習俗の中に現れるが、人間の批判的な自覚の高まりとともに、慣習、習俗を批判、反省しながら、慣習から分化した精神的規範や基準として現れる。②道徳教育を行う教育課程。③老子の説いた恬淡虚無(てんたんきょむ)の学。もっぱら道と徳を説くところからいう。」と書いてある。

これでは良く分からないので、もう少し具体的なことが知りたい。そこで、倫理とは何かということで、本屋に行き、読めそうな薄い本を探した。「ここからはじまる倫理」という手頃な本が目に付き、買い求めた。

この本には以下のように説明している。『「倫理(ethics)」「道徳(moral)」はしばしば同じ意味で使われている。しかし、その違いを念頭においておいた方がよい。道徳的価値は、生活の中で時間をかけて吟味され、不都合が見つかったならば必要な修正を施すというふうにして、ゆるやかに身についてきたものである。他方、「倫理」という語はもっと批判的で自覚的な鋭さをもっている。倫理において、価値を生きることから価値について考え抜くことへと踏み出すことになる。』とある。

倫理のほうが道徳より厳しい精神的な規範が求められているようであり、危機管理をする意識で倫理を考えていかなければならないようである。

日本における医の倫理は昔から他の職種以上に、厳しく規定されており、それだけで充分のような気もするが、今の時代、倫理綱領を明らかにすることが求められている。苦悩の改訂作業は続くのである。

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