医療改革
今医療改革に関して、色々な方面からの意見が噴出している。 IT関連の人々は総てがITで上手く行くような感覚で医療問題を捌くつもりでいる。レセプトの電算処理とフロッピーやメールでの送付を可能にしたい、それによって医療費の使い道の透明性が確保され、医療費の無駄がなくなるであろうという。 それも早急に来年当たりには実現したいと意気込んでいる。 ある医師会では未だファクスが設置されていない医療機関が10%以上あり、手書きでレセプトを提出してくる医療機関はこの倍近くある 。コンピューターの普及率は当然半分以下である。 その一方、医師の高齢化も進んできており、最近若い先生の増加が見られるものの東京都の中では医療過疎に近い現状ですら、継続が危ぶまれると思われるくらいレセプト枚数の少ない先生方も相当数見受けられるという。 このような医療機関では電算化は殆ど無理と考えなければならないだろう。しかも、これらの先生方の医療技術が劣るかというと全くそんなことはないとのことである。 人間を診ることは好きだが、無機質な機械をいじることが嫌いという先生もおられる訳で、全人性医療を目指せばある意味では無理からぬ帰結かとも考えられる。 電子カルテになれば、益々入力のために時間を取られ、コンピューターのモニターばかり見て、患者の顔も見ないというようになる事を危惧する先生も多い。 現在でもある医療センターでは受診してから何年も経つが未だ身体を触られたことがないという話しを聞く。 この傾向が更に酷くなると言うことを意味していると考えて良いだろう。 医療制度改革の中心は財政破綻という状況から経済的側面だけが重視されている。 消費税の導入も21世紀の福祉、介護、医療、年金の破綻を前提にそのためのものという認識であったが、いつの間にか霧散している。 人間は社会的動物でもあるからして、医療は医学という自然科学的なデータだけを重視している訳ではないのは言うまでもないが、それを支える技術的な修練や経験というものが重要な意味を持っている。 更に患者の取り巻く社会的な種々のストレスが病気の発生に関与しているわけであるから社会科学的な側面の理解も十分修練していなければならない。 このような複雑な内容をもつ医療を経済的側面だけで判断していくことがいかに難しい痛感させられる しかし、日常診療で、人を診て、病気を治すという喜びがあるからやっていけるので、治して頂いて有り難うという感謝の言葉を聞くときこの職業を選択して良かったと感じる。 この想いが明日への原動力となっている。 |
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